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ヴァージニア日記

アメリカで過ごす中で、毎日感じたことを記します。

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家。

もじもじとしか最初は口を開けなかった私が、よくもここまで神経図太く大きな口を開けるようになったものだ。ジャパニーズイングリッシュが恥ずかしいからと、日本人の前では英語を話したくなかった時もあった。でも、いつの頃からだろう。おそらくチリに言った後だと思う。これ以上上達する訳がないと開き直り、自分の話すジャパニーズイングリッシュを全く気にしなくなった。

10年前に住んでいたテキサス、そのオースティンのコミュニティカレッジではどのクラスもいつも一番前に座り、そして必ずと行って良いほど手をあげて質問をしていた。見知らぬ通りすがりの人に「あら、その帽子素敵ね!」なんて話しかけらたことにびっくりしていた私だったのに、気づけば自分がそうしている。バスに座れば横の人と話し、英語の世界にいることが苦にならないどころか、心地良さを感じるようにまでなっていた。

と、思っていた。

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私はペストリーやパンを見ているのが大好きだ。それらのものを見ているだけで胸が躍るのだ。そして、その「美味しそうなもの」を誰かに手渡すことに喜びを感じる。だからベイカリーでの仕事は私にとって完璧な仕事だった。(←クリックそれならなぜ辞めたのだろう。辞めた時は、スケジュールの大変さだと思っていたが、もしかしたらそうでは無かったことに昨日気付いた。

人間は忘却の生き物だ。例外にもれずあれから数年も経ち、思い出すのは良いことばかりで、あの時どんなに大変だったかと言うことを忘れるようになっていた。そして、またベイカリーで働いてみたい、あの活気のある空気の中に身を置きたい、お客様と接したいと思う気持ちが募って来ていたのだった。でも何かを恐れている。それが何だか分からなかったが、昨日分かった。何を恐れているのか、それは、、
アメリカ人とのコミュニケーション
を恐れていたのだ。英語の世界にいることが苦にならなくなった私は英語の世界もいることが怖いのだ。

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6月14日にミーティングを行うので6時にシェルターに来てくださいと連絡があったのは2週間ほど前のことだった。私がボランティアをしているシェルターで、プレイグループ係の人だけのミーティングを行うらしい。プレイグループのメンバーは全員で10名、みな知っている人だから全く緊張するものでは無く、むしろ「犬を大切に思う」という同じ価値観を持っている人達との集まりだから居心地が良いだろうと、楽しみにさえしていた。
6時から始まったミーティングは8時前に終わり、そして哲がハルとクルミを連れて迎えに来てくれた。

3人の顔を見たらホッとし、ハルとクルミにおやつをあげ、シートベルトを締め、走り出した車の中でつぶやいた。

やっぱりアメリカ社会で生き延びれないと思う。
出来ると思っていたけれど駄目だ。
何だかね、、凹んじゃった。
仕事したいなんて言っていたけれど、何か仕事をしても駄目だと思う。
質問、しなかったんだよ。うううん、出来なかったんだよ。一言も口を開かなかった。
みんな、すごい勢いで話すからだまっちゃった。


え!質問しなかったの?

私が質問好きなことを知っている哲は驚いた。

うん、、、、、。

そんな気持ちでうつむき加減に家に戻り、そして家に入った。何度も帰って来ている家なおんい、いつも家と違った。

あぁ、、、なんてリラックス出来る空間なんだろう。

専業主婦である私にとって「家」は職場だ。だから普段はリラックスするどころか、いつも総監督と化し、何かすることを見つけては総監督自ら動いている日々なのだ。ここではONとOFFが無い。しかしこの日、ミーティングで集中力を持ってONだった私は、家に戻りOFFになることが出来たのだ。

ベイカリーで働いていた時、8時間も留守番をしてくれていたハルを思い、スニーカーに靴を履き替えて走り、そしてドアを開けてハルの顔を見た時、ほっとして涙を出したのを覚えている。ハル、、、とかがんだら、ハルが涙を舐めてくれた。あの時、アメリカ人の早い会話速度に戸惑い、自分が一生懸命頑張っているのに、「我」を出すのが上手な人たちの中で自分は埋もれてしまっているように感じ無力感を感じていたのだ。そう言えば、仕事でなく友人ともグループに入ると私は黙ってしまう傾向がある。一対一の付き合いで無いと、自分のことを話せない。ベイカリーではお客様と一対一で接している時は幸せだったが、仕事はチームワークだったからその他の時は常に緊張し、怖かった。授業で質問が出来たのは、それは誰も話をしていない中で、質問出来るからなのだろう。昨日のミーティングはディスカッション形式だったから、一対一では無かった。だから質問出来なかったのだろう。

本来の「家たるもの」を思い出させてくれたこの出来事は、そのままさらりと流してはならないような気がした。もしかしたらいくら大変と思っても、いくら凹んでも、「家」での時間を尊むために外の世界にもまれても良いのかもしれない。

シェルターへのミーティングに行く前に、小鍋にカレー、そして冷蔵庫にサラダを用意して出て行った。そしてメモにデザートは冷蔵庫のを食べてね、、と書いたのに食べていなかった哲に、

あれ?デザート食べなかったの?
だって、幸子と食べようと思ったから。
いいのに。2個あるし。
うううん、それでも幸子と食べようと思ったから。

夕方の光の中、赤い車に乗った3人が笑顔で私を迎え入れてくれ、そして小さなデザートが冷蔵庫に残っているのを見て、心が温まった夕方だった。

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哲、シャワー浴びてくるね。
あいよ。

シャワーも温たかった。

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COMMENT

●NO TITLE

わかります、幸子さんのお気持ち!!
私も未だにひどい英語でコミニュケーションとってますがたまにめげそうになります。
友達ならまだしも、知らない人を前にするとだんまりしてしまいます。笑

でも最近は自分は外国人なのだから仕方ないと開きなおることにしました。

ですので幸子さんはなんでも前向きに過ごされているように感じますのであまりかんがえこまず素のままで大丈夫だと思います!というか綺麗に英語も話されていましたし優しい旦那様と可愛いワンコに癒されて素敵なお家に住んで羨ましいです!!!

●mackmayさんへ。

mackmayさん、

こちらのブログも読んでくださりありがとうございます~。
mackmayさんもそんな風に感じているなんて!
今は学校も、そしてお仕事もされ、きちんとアメリカ社会で頑張っていますよね~。
私も開き直っているのですが、でも集団の中ではやはり「だんまり」してしまいます。

ですが、これも自分なので受け入れて人生楽しむしかないですね♪
毎日凹んだりしていますが、頑張ります♪

コメントをありがとうございました~。

sachiko

●管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

●鍵コメさんへ。

鍵コメさん、

思いをシェアしてくださり、ありがとうございます。
そうだったんですね。
でも、そんな思いや努力も、何らかの形で今の鍵コメさんにつながっているのでしょうね。

コメントをくださりありがとうございました。

sachiko

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