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ヴァージニア日記

アメリカで過ごす中で、毎日感じたことを記します。

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カウントダウン

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この日が来ることを数か月前から心の中でカウントダウンしていた。カウントダウンと言う言葉には何かワクワクするものが伴うが、今回のカウントダウンはワクワクでは無く、いよいよだ、いよいよだ、、という寂しさと不安が伴っていた。

哲が政府系機関で働いていた時は、数週間の出張は当たり前のように年に何度もあった。日本にいた時は、危険を伴う国への出張は心配はしていたものの、一人になるという寂しさと不安は全く無かった。それは仕事を持っていたせいかもしれない。チリでは一人ぽっちがさらに一人ぽっちになったから、孤独感に襲われ寂しい思いはしたものの、哲の出発をカウントダウンして不安がることは無かった。なぜなら、、、

必ず帰って来ると分かっていたから。

槙原敬之がガン検診啓発キャンペーンのために作った歌に「新しいドア」という歌がある。以前も紹介したが、その歌の中の一部の歌詞に、毎回諭される。

「どれだけ長く生きるかは 神様だけが知ってる
でもどんな風に生きるかは 僕らが決められる
天国に旅立つ日の前に 少しだけでも 余裕があるといいよな
茶の間から聞こえてくる 僕を呼んでる声」
 槙原敬之

天国に旅立つ日が分かっていたなら、人はもっと上手に生きることが出来るのかもしれない。哲が倒れ天国に行きかけたことは私の中から拭い忘れることが出来ない出来事だから何度となく書いてしまうのだが、あの時、ERで哲を励ましながら、哲と一緒にし残したこと、これからしたかったことを思ったのを覚えている。○月○日に倒れますよ、、と神様が教えてくれていたなら、一分一秒だって無駄にはしなかったのかもしれない。直前に行った旅行でへらへら笑っている自分を見ると、何とも言えない気持ちになり、景色が綺麗でもその旅行の写真を見るのは辛く、複雑な気分になる。哲が倒れた時には「無事に戻って来るか」分からなかったから、朝一に病院に出かけ、夕方まで哲を看病し、1人家に戻って来た時に感じた寂しさは例えようのないものだった。夜は電気を付けたまま寝た日々だった。

3月に哲が帰国することになった。日にちもしっかり決まっている。神様は今回は○月○日に哲は遠くへ行きますよ、と教えてくれた。私も一緒に帰国出来たら良かったのだが、犬を世話してくれる場所を見つけることが出来ず、いや、場所はたくさんあるのだが、納得できる場所が見つからず、私は残ることに決めたのだ。哲が帰国を決めたのは昨年の夏だっただろうか。あれから3月というずっと先の月の来るのを私はカウントダウンし始めた。ワクワクが伴うカウントダウンでは無く、不安を伴うカウントダウンだ。でもカウントダウンしながら私は一日も無駄にしないように心がけた。簡単なものでもご飯は丁寧に作った。毎日に感謝した。秋が来て、年を越し、冬が終わりかけてきた2月になると、いよいよだ、、とずっと先の月だった3月が、もう次の月になっていることに驚き、そして不安がさらに募った。

2月下旬になるとママからは「さっちゃんが哲宏さんが日本に帰国している間お留守番大丈夫かと心配症の私は今頃心配しています。なんとかハルちゃんとクルミちゃんをお願いする方はいないのかしら?さっちゃん大丈夫かと心配になってきました。」というメールが来た。

ママが心配してくれた治安も、一人で過ごすことも、買い物も、ハルとクルミの世話も私は「大丈夫だよ。」と言える。でも「大丈夫だよ!」と胸を張って言えないのは、哲が帰って来ないかもしれなかったあの時のトラウマが残っているからだ。少しでも思い出すと、一気にいろいろな思いと出来事が画像と共に目の前に再現されてしまい、「一人で家にいること」と「哲が帰って来るか分からない」という不安が結びついてしまい、胸がドキドキしてしまうのだ。

大丈夫 大丈夫 

自分に言い聞かせて当日が来た。

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当日の朝、おにぎりを2つずつ2セット用意することにした。具は痛まないように梅干。飛行機に乗る前に食べられるように、そしてまずい機内食を想定して機内でも食べられるように2セット作った。
梅干はこの日のおにぎりに入れたかったことを考えて、ずっと冷蔵庫に取って置いた。おにぎりを握るのが好きだ。空を見ながら哲の無事を祈りながらおにぎりを握っていた。その時、後ろから哲が来て、私の背中を抱え「ありがとう」と言った。

以前とは違う。倒れた時はおにぎりも持たせてあげることが出来なかった。

哲は必ず帰って来ると頭で分かっていても、やはり涙は出てしまう。涙ながらに見送った哲から写真付きのメッセージが届いた。

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おにぎり、美味しかった!!
(座席はエコノミーのままで)あえてアップグレードしなかった。疲れている帰りにするかも。
ここでセーブしたお金で競馬当てて、幸子にお土産ダア!!


哲はERで自分を失いかけ、その時が何年何月かも言えなかったあの時も(←クリック)、私が朝に喉が痛かったことを心配してくれていた。

お土産なんていらないよ。
無事に帰って来てくれれば。


そして、私はほっとして、この日を境に今度は嬉しいカウントダウンを始めた。

それにしても、2人の女性にこれだけ愛されている哲は幸せものだ。
お母さんは昨夏からずっとこの日をカウントダウンしていたことだろう。
お母さん、あと少しです!
あと少しでハグできますよ!

私のトラウマもきっと今回でまた少し癒されることだろう。だって帰って来るんだから。

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いってらっしゃい!
思いっきり楽しんで!
思いっきり!!



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COMMENT

大丈夫
大丈夫だよ、さちこさん‼︎

●chupuppiness さんへ。

chupuppinessさん、

ありがとうございます。。
まだまだ子供みたいな私です、、。

今、哲は大分なんですよ♪

頑張りますね!

sachiko

頑張らなくていい!
哲さんがお帰りなる日、待ち遠しいですね
その日を楽しみにカウントダウン開始‼︎

●chupuppinessさんへ。

chupuppinessさん、

度々温かいお言葉をありがとうございます!
毎日を楽しく過ごせるように、いつもと違う目を持って「がんばり」ますね♪
いつものようには頑張りません~。
カウントダウン、開始しています!

sachiko

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