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ヴァージニア日記

アメリカで過ごす中で、毎日感じたことを記します。

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1人の人生。

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日本から持ち帰って来たマッキーの新しいアルバムを、アメリカに帰ってそうそう、早速にダウンロードしてもらった。楽しみにしていたそのアルバムはこれからのキッチンソングになる得るのだろうか。

あら、、、
今回のマッキーのアルバム、あまり良くないよ、、、。
キッチンテーマソング、失格かもしれない。
まだ数回しか聞いていないんでしょ。そのうち、何度も聞いていたら良いと思うようになるかもよ。
そうかなぁ、、、。そうとは思えん!

哲と一緒になって18年が経つ。そして思う。人は支え合って生き、人生は誰かと一緒に作り上げて行くものだと。年は一丁前の年になったもののいまだ青い私が言うのもなんだが、このかけがえのない関係を築き上げるのは、時には努力が必要だった。培ってきたこの関係を大事に、これからも哲と2人で人生を築き上げて生きたい。そう2人の人生だから。

将来を考える時、そこにはいつも哲がいる。だから何をするにも、何を決断するにも哲の存在を考えないで決めることは出来ない。それが夫婦と言うものではないだろうか。

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帰国時のことだった。尊敬し、大好きだった元会社の上司 藤原さんと電話でお話する機会を持てた。藤原さんは私と共に働かれていた当時、働きながらも認知症のお母様の介護をし、そしてお母様が亡くなられてから、33年働いた会社を退社された。何をされたかと言うと、福祉を学ぶために北欧を訪ねる準備に入ったのだ。そしてスウェーデンに滞在し福祉の様子を調査し、2010年には、大学院に入り、修士号を取られた。ここまででもすごいのに、藤原さんはその後、そのまま博士課程へ進み、しかもその間に2冊の本を書き上げたのだ。そして先日晴れて博士論文を提出され、世界初の「医療福祉ジャーナリズム博士」となられた。そう、青い私とは違い、正真正銘の努力と情熱の方なのだ。藤原さんと一緒に働けたことはとても幸運だったと思う。
その朝の電話の受話器からは、そんな偉業を成し遂げたすごい方とは思えないような、柔らかく優しいあのいつもの声「さっちゃん、あのね」と話しかけてくださった。

さっちゃん、あのね、上手く言えないけれど、さっちゃんのあのお料理は、何かになると思うの。上手く言えないけれど。私はもう60過ぎているでしょ。だから何をするにも時間がかかるし、何か一つのことしか体が付いて行かなかったの。さっちゃんは今が一番力のある時だから、何かするなら今のうちにした方がいいと思うの。

藤原さんは見かけは若くとも、本当は実年齢と戦われていただけでは無く、若い頃から持っていた目の持病とも戦い続けられていたのだ。
(以下は最近行われた目の手術の後に書かれたその方の文章から)
『右目は25歳の時に緑内障、3年前に白内障の手術をして、この1年で視力がかなり落ちていた。左もこれまでに3回の手術をくぐり抜 けたつわもので今は白内障。なので、最近は時々目から来る吐き気がすることがあった。』

藤原さんは、「一日一つ、スペシャルなことを」を胸に、日々の生活をご主人様とスペシャルに過ごされている。そんな素晴らしい生き方をしているその方からの朝の言葉は、胸にドシンと響き、そして励まされ、心のどこかにしまい忘れ去られていた昔持っていた目標みたいなものが、またモクモクと現れ出て来た。

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同じ日の夕方のことだった。私は深く尊敬し憧れる友人に会った。そしてその方もなぜか唐突に、「さっちゃん、何か出来ると思う!応援する!さっちゃんはベースがしっかりしているから、自信を持って!」と言われた。

余りの唐突なその方の応援とアイデアに一瞬戸惑い、そして今朝がた大先輩から頂いた言葉と合わさって、心の中に隠れていたその目標、夢のようなものが再びのし上がり、そして心の中心に陣取った。

何かできるのかもしれない。何かしたいのかもしれない。今なのかもしれない。
何となく何となく見えて来た気がする。一度忘れようと決めたものを、再び直視出来るようになっている気がする。

そんな思いを胸に帰国してきたアメリカで、1週間が経ち、そしてあっという間に2週間が経った。その間に、あんなにメラメラと燃えていた心の中の炎はいつの間にか小さくなり、今や線香花火の最後の丸い球のような状態に、か細く居心地悪そうに光っていた。

ねぇ、さちこ、そう言えば、前に言っていた「やりたいこと」はどうなったの?
夕食の後のおやつの時間に、哲がそう問いて来た。

う、、、そうなんだよねぇ。。あっという間に3月になって、もう4月!今年は何かをと思っていて、あれだけ先輩やお友達から影響を受け、パワーをもらったのに、これじゃぁ、駄目だよね。実は何となく考えていたんだけどね、やっぱり私には無理だと思う。そんな技量は無いし、何かを自分1人で推し進めていくパッションもないと思う。パッションはあってもパワーが無い。でもねぇ~、何か頑張ってしたら哲も早くにリタイア出来てゆっくり出来るかなぁ、、って思ったり。
何言ってるの?俺は関係ないよ!それに物事は「頑張って」することじゃなくて、「したいか したくないか」だよ。幸子の人生なんだから。俺は関係ないよ。

哲から「幸子にも働いて欲しい」と言われたら、私は喜んで働く。家のために、将来の二人のためになると思ったら、喜んで働く。でも、哲は私に仕事をすることを強いない。なんて有難い!とも思うが、でも何かしらの力になりたいとも思う私は、いっそのこと「仕事して!」と言ってもらえたら、、と贅沢にも思ってしまう。それに、「俺には関係ない」と言うのは、そのままの意味でないにしても寂しい表現だ。2人の人生だと思い、私は何を考えるにもいつも「哲はどう思うか」「哲が喜ぶか」と言うことを念頭に置いていたが、その哲に「一緒の人生」をはねのけらえてしまったように若干思ってしまったのだ。

あぁ、私は駄目女だぁ。。駄目女、駄目女、駄目女、、、。

そう言って、テーブルに頭を突っ伏した。
駄目女じゃないよ。大丈夫だよ。ただ、幸子には能力と力があると思っているから、このままじゃもったいないな、、って思うんだよ。

哲から背中を押してくれるようなアドヴァイスをもらえなかったことに凹み、そして前へ進みだすことの出来ない自分に「駄目女 駄目女」と心の中で呼びかけその日はどっぷりと落ち込んだ。結局私は自分で何かを始める力が無いんだ、誰かについて行くのが得意で、そうするのが楽で好きなんだ。

翌日。

今までの生活でも、何かあると哲の言うことが結果的に正しかったように、一日経って昨日の哲の言葉を落ち着いて考えると、やっぱり哲が正しいと思った。哲の「幸子の人生」という言葉が理解できたような気がした。

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今まで1人の人生として将来を考えたことが無かったのかもしれない。そんなことを思いながら大事にしている重たいまな板をキッチンカウンターに置き、包丁を握り、そして「良い歌ないよ」とぼやいていたマッキーのアルバムを聴きながら野菜を切る。

ALONE 歌詞:槙原敬之
(抜粋)
1人じゃ何もできないと
決め込む僕に彼は笑っている
1人で何もしたことがない君に
どうしてそんなことが分かるの
と、笑って


やっと耳に馴染んできたマッキーの歌、馴染むと歌詞も飲みこめるようになるものだ。
私はその歌詞を聞いて急に胸が熱くなり、包丁を止めて、胸と涙腺からこぼれて来そうな思いを必死に受け止めようとした。

そうだ、私は一人じゃ何も出来ないと思っていたけれど、それは一人で何もしたことが無いから。
今までしたことがあっただろうか。
子供の時には何をするにも親がいて、そして何かあればリードし導いてくれていた。大人になって会社は自分で選び、仕事は大好きで自分のために働いていたものの、基本的には上司に従えば良かった。会社を辞めたら今度は哲に頼りっぱなしだったではないか。

人生にはいろいろな人生がある。哲と作り上げている人生ももちろん大切で、それが自分の人生の中心となっているかもしれないが、今まで無視されて来た「私の人生」と言うのもあることに、やっと気付けた。哲は「私が自分の人生」を歩むことを応援し、そして信じてくれている。何となくでも良いから「したいこと」を意識し、そしてこれからゆっくり取り掛かって行こう。60を過ぎて偉業を成し遂げた大先輩のようにはならないとしても、あぁ、やって来て良かった、、、と思えるようなものを、残せるように。

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そして私はずっと保留にしていたかりんからもらったピンクの達磨の開眼式を1人で行った。私の人生。


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必勝の鉢巻をした達磨さん、でも「勝」ために生きるのではないから、私はその鉢巻を取り、そして代わりにゆるくピンクのリボンをしてあげた。私らしい。

人生は難しい。でももしかしたら単純なのかもしれない。これからもきっと悩み、立ち止まり、方向を変えるかもしれないがが、「幸子の能力がもったいない」と私を信じてくれる哲がいる限り、応援してくれる人がいる限り、方向を変えても前へ進んで行こう。

(歌詞続き)
決して消えること無い
情熱の炎と
誰かのことを心から
想う気持ち一つ
持ち続けていれば
たとえ一人でも
何かを成し得られるんだ
僕がその証拠だと


哲、マッキーのこの歌、好きなんだよねぇ。なかなか良いよ!
やっぱり哲は正しかった。

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