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ヴァージニア日記

アメリカで過ごす中で、毎日感じたことを記します。

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トリプル。

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(画像はお借りしています)
世の中はどんどん便利になり、ついこの間までは「こんなのあったら便利なんだろうなぁ。」と思っていた未来的なものまでがいつの間にか登場し、そしてすでに当たり前の物となっている。数年前に観た映画で、空間に浮かぶスクリーンをタッチし操作しているトムクルーズの様子がとても「未来」滑稽に見えたのに、空間では無いにしても今やタッチスクリーンは当たり前で、本をめくるように手を画面にこすれば次のページになるなんて!ファックスが最先端だったあの頃に生きていたおばあちゃんが見たら私がトムクルーズのように滑稽に見えるのかもしれない。

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特に電子機器の進化は目覚ましいのだろう。「今」を生きている私だってアイフォンが何たるかまだ分かっておらず、昨日もアイフォン3からアイフォン6に替えたジャネットがなんだかんだとドッグパークで説明してくれたが、旧型携帯をも電源を入れることがほとんどない私にはチンプンカンプンな話だった。

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(画像はお借りしています)
電子機器同様、見渡せば日常品だってどんどん「便利」になっている。例えば洗剤だ。
子どもの頃、お勝手の入口外に置いてあった二層式の洗濯機に使っていた洗剤は粉末で大きな箱だった。洗剤を買いに行くときは少なくとも片手がふさがるから、「さっちゃんお買い物に付き合って。」とママにお願いされ、他のものを持つ役を承ったりしたものだ。あれからどんどん洗剤類は「濃縮」化が進み、随分コンパクトになった。消費者の方がその進化に付いて行けず、ママは未だに最新式の洗濯機に「念のために」と「余分」に洗剤を入れている。可笑しいな。

日常品の中では紙類も圧縮され、容量はそのままで、ひと箱やひとロールに収まる枚数がどんどん増えている。いくらエコブームと言ってもこればかりは譲れないとばかりに、アメリカでどの家庭でも頻繁に使用されるペイパータオルも圧縮され、私も「なくなった!」とキッチンで慌てる頻度が減ったし、ティッシュだって「あら、空っぽになってるじゃない!」と文句を言う頻度が減り、空っぽになった箱をゴミ箱に捨て新しい箱をティッシュケースに入れ替えることが一年で半分くらいの回数になっただろう。

それと同様に同じ紙類のトイレットペイパーも進化している。質はもちろんのこと圧縮度は高まり、「このトイレットペイパーはダブル(2倍の長さ)です!」と謳われ売られていたのはもう昔のこと、今年に入ってからは長さ3倍トリプルまで出てきた。これは便利に違いない!と、紙類買物担当の哲が早速買ったのは数か月前のことだった。


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トリプル化されたトイレットペイパーはいくら圧縮されているとは言ってもやはり分厚く、トイレの壁に設置されているペイパーホルダーの幅にぎりぎり入る太さだった。最初は壁に擦れて当たり、回す時に若干の力がいるが、そのうち減って来るとなんてことない。それになによりトリプルだ!うわぁ、これは使っても使っても無くならない!なんて喜んでいた私だったが、トイレに入る度に何だかとても奇妙な気分になるのだった。

太いトイレットペイパーを見ると落ち着かない。トイレに入る度に、私は公衆トイレを使用しているような気分になる。「便利さ」を追求したばかりに、「外観」を損ねている。係りの人が来ないと取り換えることの出来ない公衆トイレのあの大きな大きな輪っかのトイレットペイパーを思い出してしまうのだ。そして、ふと思った。このまま「便利」が進んだらいつか家のトイレのトイレットペイパーもあんな風になってしまうのだろうか。

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人間同様、物にだって「品格」があると思う。そして物にはその品格を保つ限度があるのだ。便利さを追求したら「品」が無くなる場合がある。それがこのトイレットペイパーなのだ。例え便利になったとしても、例え面倒が減ったとしても、やはり面倒くさくもいちいち替えるトイレットペイパーが、トイレットペイパーが品を保つ限度、節度なのではないだろうか。トイレに入って綺麗にペイパーの先っぽを折ろうとは思わないが、家のトイレくらい「公衆」のトイレとは違う「品」を与えてあげたい。

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そんなことを思っていたのに「どうせ二人で食べるから大きめに切ろう」なんて横着してスライスした栗のケーキはやはり品が無くなった。(←クリック

そして濃縮された洗剤を高性能の洗濯機にほーーんの少しだけ注ぎ、便利さを感じながらも便利さに溺れないようにと思ったのだった。

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