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ヴァージニア日記

アメリカで過ごす中で、毎日感じたことを記します。

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犬になっても。

一体いつ何から始まったのだろう。まだ続いているこの一連の「できごと」は一体いつ終わるのだろう。

確か寝違えから始まった。そう、ハロウィーン前に寝違えて動けなくなり、治るまでに軽く1週間はかかったのだ。治りの遅さにも驚いたが、もっと驚いたのはその後の水曜日のことだった。急に両手の親指付近にじんましんが出来、アトピーのように荒れ、水もしみるようになってしまった。「体の丈夫さが自慢です!」と胸を張って言っていた時代はとうに過ぎたが、でも「肌は強いんです!」とは胸を張って言っていた。それなのにじんましん。あぁ、取り柄が無くなってしまうではないか。そしてそのじんましんは2週間ほど続き、それに代わって今度は「あら、何か喉に異物感を感じる」と哲にぼやいた。気になりながらも放置し、その数日後にはが始まり悪寒を感じるようになった。今まで風邪らしきものは引いたと思ったらすぐに治る私なのに、今回ばかりは長引いている。寝込むことは無いにしても毎朝、あぁ、、まだ菌がどこかにいるぅぅぅ、、と感じ、その都度漢方を飲んでいる。それと並行して今度は耳が膿んだ。高校の卒業式に嬉しく開けたピアスの穴は、なぜかまっすぐに開いていない。だから時として、ポストを通すのに苦労することがあるのだが、膿んだことはなかった。膿が出て止まらない。数えきれないほどの思い出のピアスやプレゼントしてもらったピアスのことを考えると、何としてでもふさぎたくはなく、薬を塗ってはピアスを付けるのを休み、でもふさがってしまいたくないから時々付けての繰りかえし。もう10日くらいになるだろうか。今朝もしっかり膿んでいた。

そんな一連の「できごと」が起こっている私に、哲ですら「次から次へとだね」と哀れそうにつぶやいていたが、本当にそうだ。でも、次から次へと小さな気になることが起こっても、普通に生活出来れば問題ないではないか。と、自分を励ましている。文句を言いながらも楽しく生活し、「小さな嫌なこと」は5本の指で収まるが、「小さな出来ること」を考えたら数えきれないほどあるのだから、なんて私は幸せなのだろう。

それでももちろん気弱になる時がある。そして、具合が悪くなると決まって、私はいつでもママの元へ行きたくなる。風邪を引いたらおじや卵うどんを作ってくれて、ゼリーやヨーグルトなどの冷たいものを買って来てくれるママ。母性と言うのはこういうものなのだろう。たとえ日々、「哲さえいれば!」と心から思っている私でも、そして日々、哲に頼りに頼っている私でも、風邪の時は哲ではかゆい所をかいてもらえないことがあるのだ。

あれはもう5年ほど前だろうか。あれ以来寝込んでいない私だが、あの日曜日、私は微熱があり、ベッドで寝ていた。お昼ご飯はどうしよう、、、と思っていたら哲がカリフォルニアロールを買って来てくれたのだ。嬉しかった。でも、それでも、本当に具合の悪い時は、細かい所に気を付けてくれるママでなくては駄目なのだ。カリフォルニアロールも大好きだが、卵うどんでなくては駄目なのだ。哲が悪いということではなくて、具合の悪い時には母性を求めるものなのだ。お布団を敷いてくれて、温めてくれて、パジャマを取り換えてくれて、様子を見にくてくれるママでなくては駄目なのだ。

あれは哲に焼きそばを用意した日のことだった。「あぁ、やっぱり最後の昼は焼きそばかなぁ~。」と哲が言った。私達は「最後の一日」に何を食べたいかとよく話題にする。哲の朝は「日本の和定食」、昼は迷いに迷って焼きそばカレーにするらしい。そして夜はお寿司と決めているようだ。私はと言うと、朝は「ママの朝ごはん」昼は「クロワッサンと菓子パン」。そう言ったらそれは「おやつにしていいよ」と哲から寛大なオファーを頂いたが、私はお昼で良い。そして夜は「ママのおにぎり 鮭」。最後だから力も無いと思うが、おにぎりをパクリを食べて旅立ちたい。でも本当の最後の一口は、アイスクリーム。哲に「私が寝たきりで口もきけない状態でも、絶対にアイスクリームを食べたいはずだから、スプーンで口に滑らせるように食べさせて」とお願いしてある。そう、残されるのは辛いから哲よりも必ず先に旅立つ予定にしている。そんな話をしていた焼きそばの日、
でも待って!哀しいことだけど、自然の摂理から行くと、親が先に旅立つもの。それは困る!
本当に困ってしまった。最後の日に朝ごはんもおにぎりを食べられないではないか!


言葉にせずとも人間は、他の動物を押しのけて、神や自然の次に「人類」が一番偉いと思っているのだろう。人間ほど素晴らしい動物はいないと想っているかもしれない。でも果たして、鮭のおにぎりを一口食べ、ソフトクリームをぺろりとなめて空へ旅だったら、次にはやはり世界を牛耳っていると思っている人間に生まれ変わりたいだろうか。

少し前まではまた「自分」になりたい、と思っていた。大好きな人、大好きな家族、いつも側にいてくれる哲。そしてハル、クルミ。今のまんま、そのまんま。でも耳が膿んでいる私は考えた。具合が悪い時に一番側にいて欲しい人に先に旅立たれるのは辛い。人間はその辛さを体験するから、成長していくのだろうが、私にはきっとそんな器はなく我慢が出来ないだろう。だから私は生まれ変わったら自分になることもバレリーナも諦めて、、、、

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ハルかクルミになりたい。

今の家族はそのままに、家族になった日から旅立つ日まで愛する人に世話してもらい、見守ってもらえる犬に。
人間に伝えられないこと、我慢しなくてはならないこと、痛くても痛いと言えないことなど、犬の犬生は簡単なものではないだろうが、でも、それでも愛する人に看取ってもらえる。
そう言えば、こんな歌があったなぁ。




安いお弁当選んで買ってみても¥490
でも味噌汁付かない

たとえば牛丼大盛り頼んだら¥480
でも味噌汁付かない

帰りに格好付けてカモミール・ティーなんか飲んだら¥490
でも味噌汁付かない

ホワイト学割は学生も家族も基本料は¥490
でも味噌汁付かない

次に生まれるなら 味噌汁になりたい
主役を脇で支える味噌汁になりたい

でも味噌汁はお代わり出来るけど
私にお代わりなどいない
私は味噌汁になれない

競馬で儲けようと新聞買ったら¥450
もう馬券も買えない

たばこひと箱に発泡酒一本で¥430
競馬場にも行けない

週刊誌買って缶コーヒーまで買ったら¥450
既に馬券は買えない

DVD新作一泊借りたら¥400
馬券買えても当たるとは到底思えない

次に生まれるなら 競走馬になりたい
遠い夢を走り抜ける競走馬になりたい

でも強い馬なら種牡馬になれるけど
弱けりゃ何にもなれない
私は種牡馬にもなれない

海が見たくて横浜まで出かけたら¥450
帰ってこられない

中央線なら武蔵小金井¥450
山は見えても帰ってこられない

京成上野から実籾まで行っても¥470
でも競馬場は通り過ぎてる

小田急線なら海老名まででかけて¥480
これも帰っちゃこられない

次に生まれるなら 帰ってくるものになりたい
春になれば帰ってゆく 渡り鳥のように

でも焼酎のお湯割りに焼き鳥は絶対欠かせないから
私は鳥にはなりたくない

次に生まれるなら 帰ってくるものになりたい
どんなに遠くからでも帰ってくる 犬になりたい

犬がいい そうだ犬がいい
出来たら寂しくないように
家族みんなに愛される うちの犬になりたい


次に生まれるなら 家族の一員になりたい
私は犬になりたい

雑種でもいい

¥490

DSC03539 (500x389)

今日も、デジタルフォトスタンドで次々に変わる写真のうちの一枚、哲がママの作ったお握りを食べようとしている写真を見ては私も大きく口を開けたくなる

犬になってもおにぎりは食べたい。

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