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ヴァージニア日記

アメリカで過ごす中で、毎日感じたことを記します。

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モスグリーンの短パン。

椅子に座っていた私の腿を何かがコチョコチョとくすぐった。
ぎゃ!虫?
条件反射的にそれを払いよけた後、落ち着いてみたらそれが虫では無いことが分かった。短パンのほつれた糸。
あぁ、これもう15年近く着ているからね。
モスグリーンの短パンの裾はすり切れ、布だったはずがたくさんの糸の集まりと化していた。

DSC06739 (450x338)

日本に住んでいた時、ジーンズも短パンも持っていなかった。「短パン」というものをやっと意識したのは、15年前に渡米した時のことだった。街行くアメリカ人が可愛く格好良くカジュアルに楽そうにそれらを着ているのを眺めながら、自分もジョージタウンのJCREWで短パンを買ってみた。同じデザインで3色。ベージュ、モスグリーン、ネイビー。金銭感覚は銀座で働いていたままだったから、「なんて安い!!」と3つ手に取ったわけなのだが、今思うと高い買い物だ。そして銀座の街を着て歩いていたワンピースが普段着、新しいこのワードローブに「余所行き」のステイタスを与えた。
 新しいワードローブを身にまとい、自分が変わったような気がして嬉しくて、3色もろとも初めて行った国立公園ツアーに連れて行った。あれからもう15年かぁ。ベージュとネイビーはボロボロを通り越した状態になってしまったため、泣く泣く昨年サヨナラし、残ったのが私の腿をくすぐった犯人のこのモスグリーンの短パンなのだ。 

 英語はもちろんだが、日本語もまだ知らない言葉がたくさんある。知っていても使っていない言葉もある。この歳になっても新しい言葉は学べると言うことが分かったのは、私が同じように10年以上愛用していた今は部屋着となってしまったスウェット素材のパンタロン式Aラインパンツを手にしていた時だった。乾燥機から出したばかりのホクホクのそのパンツをたたもうとしたら、ある場所に指が入った。
あらぁ、こんな大きな穴が開いてた!
横腹の切り替えの部分が5センチほどの穴を作っていた。
でもねぇ、これ、気に入っているのよねぇ。まだ行ける!
そんな大きな独り言を聞き逃さなかったのがたまたまそこにいた哲だった。
何これ!もう捨てだよ!捨て!
えーー、だって気に入ってるだもん。
俺のだったら、すぐに捨てろ!って言うじゃん。ダブルスタンダードだよ!
ダブルスタンダード?へぇ、こういうことをそういう風に表現するんだぁ。なるほどね。使ったこと無い言葉だよ。勉強になった。

この時以来、私は胸の中で、あ、あれも実はダブルスタンダード、あ、これも。あはは、あれもだ。と呟く日々で、こっそりと自分の今年の流行語として楽しんでいる。

DSC06725 (450x338)


 今もまだなお生き残っているダブルスタンダードパンツは、大きな穴をあけながら部屋着として頑張り、モスグリーンの短パンは洗濯後、丁寧にたたまれまたクローゼットにしまわれた。哲に見つからないように、大事にしまっておこう。

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